法人設立の手続きの流れ|自分でやる費用と書類作成のコツ
公開日: 2026/6/7
【広告(PR)】 本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。掲載各社から紹介料を受け取る場合があります。記事中の制度・費用は2026年6月時点の目安です。最新かつ正確な情報は、法務局・公証役場・国税庁等の公式サイトで必ずご確認ください。 本記事は情報提供を目的とし、個別の法務・税務判断は司法書士・税理士・行政書士など有資格者へご相談ください。
「会社を作ると決めたが、具体的に何から手をつければいいか分からない」——法人設立は、流れさえ押さえれば一つずつ進められる手続きの連続です。この記事では、会社設立の手続きの流れを「①基本事項の決定 → ②定款の作成・認証 → ③資本金の払込み → ④登記申請 → ⑤設立後の届出」の順に整理し、自分でやる場合の費用感と、書類作成を効率化するツールの使いどころまでをまとめます。
なお、法人化すべきかどうかの判断(年収・消費税・社会的信用などの目安)は別記事で扱っています。判断にまだ迷いがある方は、先に 法人化のタイミングとメリット を確認してから本記事に戻ると、手続きの全体像が描きやすくなります。
まず決める:株式会社か合同会社か
会社設立の手続きは、どの会社形態を選ぶかで工程と費用が変わります。個人事業主からの法人成りでよく検討されるのが「株式会社」と「合同会社(LLC)」です。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 定款認証(公証役場) | 必要 | 不要とされる |
| 登録免許税の最低額 | 高めに設定(15万円とされる) | 低めに設定(6万円とされる) |
| 設立コストの傾向 | 高くなりやすい | 抑えやすい傾向 |
| 社会的信用・知名度 | 高いとされる | 株式会社よりは低いとされる場合がある |
| 資金調達(出資・株式) | 選択肢が広い傾向 | 限定的な面がある |
| 利益配分・運営の柔軟性 | 制度に沿う | 比較的柔軟とされる |
一般に、合同会社のほうが定款認証が不要で、設立費用・工程が軽い傾向があります。一方、取引先・採用・将来の資金調達を重視するなら株式会社が選ばれることが多いとされます。どちらが適するかは事業内容や将来計画によるため、迷う場合は司法書士・税理士に相談すると整理しやすいでしょう。費用・要件は変動するため、最新は法務局等で要確認です(2026年6月時点)。
会社設立の手続きの流れ(5ステップ)
ここからが本題です。株式会社を例に、おおまかな流れを5ステップで見ていきます(合同会社は②の定款認証が不要になるなど一部工程が省けます)。
ステップ1:基本事項を決める
設立書類を作る前に、会社の「中身」を決めます。主に次の項目です。
- 商号(会社名):使用できる文字や、同一住所での同一商号の制限などのルールがあります
- 事業目的:定款に記載する事業内容。許認可が必要な業種は表現に注意
- 本店所在地:登記する住所。自宅・賃貸オフィス・バーチャルオフィスなど
- 資本金:会社法上は1円から設立も可能とされますが、運転資金や信用面を踏まえて設定
- 役員構成・事業年度:代表者、決算月など
本店所在地に自宅を使いたくない場合は、登記利用に対応したバーチャルオフィスを使う選択肢もあります。利用可否や料金は各社で異なるため、開業住所とバーチャルオフィス や バーチャルオフィスの比較 を参考に検討してください。登記利用の可否・最新プランは各公式で要確認です。
ステップ2:定款を作成・認証する
定款は会社の基本ルールを定めた書類です。ステップ1で決めた事項を所定の形式にまとめます。
- 株式会社:作成した定款を公証役場で認証してもらう必要があります
- 合同会社:定款の作成は必要ですが、公証役場での認証は不要とされます
株式会社の定款認証には手数料がかかり、資本金の額に応じて区分される体系とされます。令和6年(2024年)12月以降は、発起人が自然人3人以下で全株式を引き受けるなど一定の要件を満たす資本金100万円未満の株式会社について、手数料が軽減される取扱いも設けられています。手数料体系は改定され得るため、最新は日本公証人連合会・公証役場で要確認です。
ここで費用面の分かれ目になるのが紙の定款か電子定款かです。紙の定款は印紙税の課税文書にあたり収入印紙代がかかりますが、電子定款(電子データで作成・電子署名)は紙の文書に該当せず印紙税が課されないため、収入印紙代が原則不要とされ、その分を抑えられる場合があります。ただし電子署名の環境が必要で、後述する会社設立支援ツールや専門家が電子定款に対応していることが多いです。扱いは変わり得るため、最新は公証役場・国税庁で要確認です。
ステップ3:資本金を払い込む
定款が整ったら、発起人の銀行口座に資本金を払い込みます。設立登記の段階ではまだ法人口座がないため、原則として発起人個人の口座に払い込み、その記録(通帳の該当ページの写しなど)を払込証明書としてまとめます。手順の細部は会社形態や状況で異なるため、ツールの案内や専門家の指示に従うのが無難です。
ステップ4:法務局へ登記申請する
設立登記は、会社の成立に関わる手続きで、本店所在地を管轄する法務局へ申請します。登記申請書、定款、払込証明、役員の就任承諾書など、必要書類を揃えて提出します。
- 登記申請の受付日が会社の設立日になるのが原則とされます(令和8年〔2026年〕2月以降は、一定の要件のもとで行政機関の休日を設立日とできる取扱いも設けられています。詳細は法務省で要確認)
- 記載に不備があると補正を求められることがあります
- オンライン申請に対応する場面もありますが、要件は要確認です
ここが手続きの中で最もつまずきやすい工程です。書類作成はツールで進められても、登記申請という手続きそのものは法務局への申請であり、複雑な事案(役員構成が複雑、現物出資がある、許認可が絡むなど)や確実性を優先したい場合は司法書士への依頼が無難です。なお、他人の依頼を受けて登記申請の代理や登記書類の作成を業として行うことは司法書士の独占業務とされており、迷う場合は専門家にご確認ください。
ステップ5:設立後の各種届出を行う
登記が完了したら、これで終わりではありません。設立後の届出が複数あり、それぞれ提出期限の目安があります。
- 税務署:法人設立届出書(原則として設立後2か月以内とされる)、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書 など
- 都道府県・市区町村:法人設立・設置届出 など
- 年金事務所:健康保険・厚生年金保険の新規適用(社会保険)。法人は強制適用とされ、原則として適用事実の発生から5日以内の届出が必要とされます
これらの税務書類の作成・税務相談は税理士の独占業務にあたります。提出期限が短いものもあるため、判断に迷う点は早めに税理士へ確認しましょう。期限・要件は変わり得るため、各届出の詳細は所管の公式(国税庁・日本年金機構等)で要確認です。
自分でやる場合の費用感
「自分でやればいくら浮くのか」が気になるところです。会社設立で発生する主な費用は次のとおりです。いずれも金額や手数料体系は制度改正で変わるため、具体額は必ず公式でご確認ください(2026年6月時点)。
| 費用項目 | 株式会社 | 合同会社 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 定款認証手数料 | 約3万〜5万円 | 原則不要 | 公証役場。資本金の額で区分されるとされる(最新額は公証役場で要確認) |
| 定款の収入印紙代 | 4万円(紙の場合) | 4万円(紙の場合) | 電子定款なら原則不要とされる |
| 登録免許税 | 資本金×0.7%・最低15万円とされる | 資本金×0.7%・最低6万円とされる | 計算額が最低額未満なら最低額 |
| 専門家報酬 | 依頼時に発生 | 依頼時に発生 | 自分でやれば抑えられる |
ポイントを整理すると、
- 登録免許税は「資本金の額×0.7%」で計算し、計算額が最低額に満たない場合は最低額(株式会社15万円・合同会社6万円とされる)になります。具体的な税率・最低額は国税庁・法務局で要確認です
- **紙の定款の収入印紙代(4万円)**は、電子定款にすることで原則不要とされ、自分でやる場合の大きなコスト圧縮ポイントになります(電子署名の環境やツールが必要)
- 司法書士などに依頼すると専門家報酬が加わりますが、その分不備リスクを抑え、手間を減らせるメリットがあります
つまり「自分でやる=専門家報酬を抑えられる」一方、登録免許税などの法定費用はどちらでもかかるという整理になります。費用を抑えたい場合は、電子定款に対応した会社設立支援ツールの活用が現実的な選択肢の一つです。
書類作成を効率化するツールの使いどころ
設立書類の作成を補助するサービスとして、freee会社設立やマネーフォワード クラウド会社設立などがあります。質問に答える形で定款や登記書類のひな形を整えられる方向のツールで、電子定款に対応している場合もあります。
- 入力ガイドに沿って必要書類を整えたい方:(広告・PR) freee会社設立の公式サイトを見るPR
- 会社設立の書類作成をまとめて進めたい方:(広告・PR) マネーフォワード クラウド会社設立の公式サイトを見るPR
ただし、これらは利用者自身が入力して書類を整える自己利用ツールであり、申請代行ではありません。登記申請は法務局への手続きで、複雑な事案は司法書士、税務書類・税務相談は税理士の業務という役割分担は変わりません。料金・対応範囲・電子定款の扱い・最新仕様は各公式で必ずご確認ください。また、官公署への提出書類の作成代行は行政書士法や司法書士法上の業務範囲に関わる場合があり、当サイトは情報提供のみで申請代行は行いません。
設立形態や住所の選び方で迷っているなら、関連する バーチャルオフィスの診断 で本店所在地の候補を整理してから手続きに進むのも一つの方法です。
設立と並行して準備したいもの
登記完了後すぐに事業を動かすため、手続きと並行して次の準備を進めておくと効率的です。
法人用の会計ソフト
法人は決算・申告が個人事業より複雑になりやすいため、会計ソフトの活用が現実的です。設立初年度からデータを整えておくと、決算・申告がスムーズになる傾向があります(広告・PR) freee会計の公式サイトを見るPR 。ソフト選びの比較は 会計ソフトの比較 や クラウド会計(個人向け)の比較 が参考になります。プラン・料金は2026年6月時点の情報で、最新は公式で要確認です。
法人用の銀行口座・法人カード
経費を法人と個人で明確に分けるため、法人口座と法人カードを早めに準備しておくと、その後の経理が整いやすくなります。法人カードと個人カードの違いや選び方は 法人カードと個人カードの比較 を参考にしてください。なお、審査基準・発行可否は各社・時期で変動し、「審査に必ず通る」といった保証はできません。最新は各公式で要確認です。
まとめ
法人設立の手続きは、①基本事項の決定 → ②定款の作成・認証 → ③資本金の払込み → ④登記申請 → ⑤設立後の届出という流れで進みます。費用面では、登録免許税などの法定費用はどちらでもかかる一方、電子定款で印紙代を抑え、書類作成をツールで自分で進めれば専門家報酬を抑えられるのがポイントです。
ただし、登記申請は法務局、複雑な事案は司法書士、税務書類は税理士という役割分担は変わりません。確実性を優先したい場合や不安がある場合は、無理をせず有資格者に依頼するのが無難です。本記事の費用・制度は2026年6月時点の一般的な情報であり、登録免許税・定款認証手数料・電子定款の扱いなど具体的な金額・要件は、法務局・公証役場・国税庁等の公式で必ずご確認ください。
出典
- 法務局「商業・法人登記の申請手続」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/category_00003.html
- 法務省「会社・法人の登記手続」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00069.html
- 法務省「休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00234.html
- 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
- 国税庁「課税される定款の範囲」 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/24/01.htm
- 日本公証人連合会「会社の定款手数料の改定」 https://www.koshonin.gr.jp/chg_teikanfee
- 日本公証人連合会「定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等」 https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_4/9_4_q03
- 国税庁「C1-4 内国普通法人等の設立の届出」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_2.htm
- 国税庁「C1-19 青色申告書の承認の申請」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_14.htm
- 日本年金機構「新規適用の手続き」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150311.html
- 司法書士法(e-Gov) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197
※本記事は情報提供を目的とするものであり、個別の法務・税務判断を保証するものではありません。具体的なご相談は司法書士・税理士・行政書士など有資格者へお願いします。料金・制度は2026年6月時点の情報で、最新は各公式でご確認ください。