ふるさと納税 個人事業主・フリーランスのやり方|確定申告と上限
公開日: 2026/6/30
この記事でわかること
広告(PR)について:本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。リンク経由のお申し込みにより運営者が紹介料を受け取ることがあります。
重要な前提:本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の税務判断を行うものではありません。控除上限の試算や具体的な申告方法の判断は、税理士など有資格者にご相談ください。記載の制度・基準・期限は 2026年6月時点 の目安で、改正により変わることがあります。寄附や手続きの前に、総務省・国税庁・各自治体など公式の最新情報を必ずご確認ください。
「ふるさと納税、会社員の友人はやっているけれど、個人事業主の自分はどう申告するんだろう?」——フリーランス・個人事業主の方がふるさと納税で最初に迷うのが、この申告のやり方と上限です。会社員向けの説明をそのまま当てはめると、ワンストップ特例のところでつまずきやすいという落とし穴があります。
この記事では、①個人事業主もふるさと納税を使える仕組み、②最重要:ワンストップ特例は使えず確定申告で寄附金控除を申告すること、③必要書類とe-Taxでの進め方、④控除上限の考え方と所得変動への注意までを、国税庁・総務省の情報をもとに整理します。誇大な表現は避け、出典と条件を併記します。
運営:ひとり開業ラボ編集部
結論:個人事業主は「確定申告で寄附金控除」が基本
先に要点をまとめます。いずれも一般的な目安であり、最終判断はご自身の状況と最新の公式情報で行ってください。
- 個人事業主・フリーランスもふるさと納税を利用できます。 自己負担は原則2,000円で、上限の範囲内なら残りが所得税・住民税から控除され、返礼品も受け取れるのが一般的です。
- 最重要:ワンストップ特例は使えないのが原則です。 ワンストップ特例は「確定申告が不要な給与所得者等」向けの制度で、事業所得などで確定申告をする個人事業主は対象外。確定申告のなかで寄附金控除として申告します。
- 必要書類は、自治体の寄附金受領証明書、または特定事業者が発行する寄附金控除に関する証明書(XMLデータ等)。e-Taxなら電子データの活用で手間を減らしやすい傾向があります。
- 控除上限は人によって異なります。 本人の所得・課税状況で決まり、所得が変動しやすい個人事業主は、年間の所得を見込んでから寄附額を決めると安心です。
つまり「ワンストップ特例で申告を省けばいい」という会社員向けの整理は、個人事業主には当てはまりにくい、というのがこの記事で一番伝えたい点です。
一次情報(実際の画面):寄附金控除の取り扱いは国税庁の情報を確認して作成しています。

出典:国税庁ホームページ No.1150「一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1150.htm )を基に画面の一部をキャプチャ(2026年6月確認)。最新は公式ページでご確認ください。
そもそもふるさと納税の仕組み(自己負担2,000円と控除)
ふるさと納税は、応援したい自治体に「寄附」をすると、寄附額のうち自己負担の2,000円を超える部分が、一定の上限まで**所得税と住民税から控除(差し引き)**される仕組みです。多くの自治体では寄附のお礼として返礼品が用意されており、自己負担2,000円で各地の特産品などを受け取れる点が広く知られています。
控除のおおまかな内訳は次のとおりです(一般的な目安であり、実際の額は所得・課税状況で変わります)。
| 区分 | おおまかな内容 |
|---|---|
| 所得税からの控除 | 寄附金控除(所得控除)として、(寄附額-2,000円)が所得から差し引かれる(その年の総所得金額等の40%が上限) |
| 住民税からの控除(基本分) | (寄附額-2,000円)の概ね10%が税額から差し引かれる |
| 住民税からの控除(特例分) | 上記に上乗せされる部分。住民税の所得割額の概ね20%が上限とされ、その範囲内なら合計で自己負担2,000円に収まるよう設計されている |
ポイントは、自己負担2,000円で収まるのは「控除上限の範囲内」で寄附した場合だということです。上限を超えて寄附した分は控除されず、そのまま自己負担になります。上限額は本人の所得や課税状況によって異なるため、後述のとおり個人事業主は特に見積もりに注意が必要です。
なお、自分の所得でどのくらい税金がかかるかの全体像は個人事業主の税金 早見表も参考になります。ふるさと納税以外の控除・節税の選択肢を整理したい方は個人事業主の節税方法まとめもあわせてご覧ください。
最重要:個人事業主はワンストップ特例が使えない
ここが会社員との一番大きな違いです。結論から言うと、個人事業主・フリーランスは、ふるさと納税のワンストップ特例制度を原則として使えません。
ワンストップ特例は「確定申告が不要な給与所得者等」向け
ワンストップ特例制度は、確定申告が不要な給与所得者等が、寄附先の自治体(年間5自治体以内)に申請書を提出することで、確定申告をしなくても住民税の控除を受けられるようにする制度です。つまり「もともと確定申告をしない人」のために、申告の手間を省く目的で用意された仕組みです。
一方、個人事業主・フリーランスは、事業所得などについて確定申告をするのが原則です。確定申告をする人はワンストップ特例の前提(=確定申告をしない)から外れるため、ワンストップ特例の対象外となります。
| 区分 | ワンストップ特例 | ふるさと納税の申告方法 |
|---|---|---|
| 確定申告が不要な給与所得者等 | 使える(5自治体以内・申請書の提出が要件) | ワンストップ特例 |
| 個人事業主・フリーランス(確定申告をする) | 使えないのが原則 | 確定申告で寄附金控除として申告 |
ワンストップ特例を申請済みでも、確定申告で申告し直す
注意したいのは、ワンストップ特例の申請書を出していても、確定申告を行うとその申請は無効になるという点です。たとえば「会社員時代の感覚で申請書を出していたが、年の途中で開業して確定申告をすることになった」という場合、ワンストップ特例の申請は効力を失うのが一般的です。
このとき、ワンストップ特例で申請済みの寄附も含めて、その年に行ったすべてのふるさと納税を確定申告で申告し直す必要があるとされています。一部だけ申告して残りをワンストップ特例のまま、という扱いはできないと考えておくと安心です。確定申告をする予定がある方は、最初から確定申告で申告する前提で証明書を保管しておくとよいでしょう。
確定申告そのものの流れに不安がある方は確定申告のやり方 初めてのフリーランス完全ガイドもご参照ください。
確定申告での申告方法と必要書類
個人事業主のふるさと納税は、確定申告書の寄附金控除の欄で申告します。基本的な流れと必要書類を整理します。
必要になる主な書類
- 寄附金受領証明書:寄附した自治体が発行する証明書。寄附先ごとに送付されるのが一般的です。
- 寄附金控除に関する証明書:ふるさと納税ポータルサイトなどの特定事業者が発行する、年間の寄附をまとめた証明書。XMLデータや書面、QRコード付きの書面などの形式があります。令和3年分以降の確定申告では、この証明書を寄附金の受領証に代えて使えるようになっており、寄附先が多い場合に整理しやすい傾向があります。
確定申告書では、寄附額の合計などを寄附金控除の欄(および住民税に関する事項の欄)に記入し、上記の証明書を添付または提示します。所得税の確定申告で申告すれば、その内容が住民税にも反映されるため、住民税分について別途の手続きは原則不要です。
e-Taxなら電子データの活用で手間を減らしやすい
e-Tax(電子申告)を使う場合、特定事業者が発行した寄附金控除に関する証明書のXMLデータを読み込んで、寄附金控除の入力に活用できる場合があります。QRコード付きの証明書を読み取って入力する方法が用意されていることもあります。紙の証明書を1枚ずつ転記・添付する手間を減らしやすいため、寄附先が多い方には選択肢になります。
e-Taxでの確定申告の進め方はe-Taxで確定申告するやり方で詳しく整理しています。なお、証明書の形式や対応状況はポータルサイト・年によって異なるため、利用前に各サービスと国税庁の案内をご確認ください(2026年6月時点・最新は公式で要確認)。
寄附金控除の入力をラクにする会計ソフト (広告・PR)
確定申告書の作成段階では、事業の帳簿づけと寄附金控除などの所得控除の入力をあわせて進めることになります。クラウド会計ソフトの多くは、確定申告書の作成画面で寄附金控除などの控除項目を入力するガイドが用意されており、事業所得の計算から申告書の作成・e-Tax提出までを一つの流れで進めやすい傾向があります。
- freee会計(広告・PR):質問に答える形で進められ、簿記や申告書の作成が不安な方の候補になりやすい → freee会計の公式サイトを見るPR(広告・PR)
- マネーフォワード クラウド確定申告(広告・PR):仕訳に近い画面で、連携・拡張性を重視する方の候補 → マネーフォワード クラウド会計・確定申告の公式サイトを見るPR(広告・PR)
どちらが合うか迷う場合は会計ソフト診断(無料・登録不要)もご利用ください。料金・プラン・対応範囲や寄附金控除の入力対応は変動するため、最新は各公式でご確認ください(2026年6月時点・最新は公式で要確認)。
控除上限の考え方:個人事業主はここに注意
ふるさと納税で「自己負担2,000円」に収めるには、控除上限の範囲内で寄附する必要があります。この上限は、本人の所得や課税状況(住民税の所得割額など)によって決まり、人によって大きく異なります。
給与所得者向けシミュレーターは前提が違う
ふるさと納税ポータルなどにある簡易シミュレーターの多くは、給与所得者(会社員)を前提に作られています。「年収◯◯万円ならいくらまで」という早見表も、給与収入をベースにしたものが中心です。
個人事業主・フリーランスは、給与収入ではなく事業所得などが中心で、青色申告特別控除や各種経費を差し引いた後の課税所得で課税されます。前提が異なるため、給与年収ベースの早見表をそのまま当てはめると、上限を見誤ることがあります。個人事業主は、青色申告特別控除などを差し引いた後の課税所得をベースに見積もるのが目安です。
| 観点 | 給与所得者 | 個人事業主・フリーランス |
|---|---|---|
| 上限の判定ベース | 給与収入・給与所得が中心 | 事業所得などから各種控除を引いた課税所得が中心 |
| シミュレーター | 給与年収ベースの早見表が多い | 給与前提の早見表は前提が異なるため要注意 |
| 所得の見通し | 比較的安定しやすい | 年によって変動しやすい |
青色申告特別控除の要件など申告方式の前提は個人事業主の節税方法まとめ、計上できる経費の範囲はフリーランスの経費一覧も参考にしてください。
所得が変動する個人事業主は「年末に見込んでから」が安心
個人事業主の所得は、年によって、また年の途中でも変動しやすいものです。控除上限は最終的にその年の所得・課税状況で決まるため、注意が必要です。
たとえば、年の前半に「これくらいは稼げそう」と見込んで上限いっぱいまで寄附したものの、後半に売上が下振れした場合、想定していた上限を超えてしまい、超過分が自己負担になることがあります。逆に所得が伸びれば上限に余裕が出ることもあります。こうした下振れに備えるには、年間の売上・経費の見込みがある程度固まる年末近くに寄附額を判断するのが安心な進め方の一つです。
赤字・所得が少ない年はメリットが乏しいことも
事業が赤字の年や、各種控除を差し引くと課税所得がほとんど残らない年は、そもそも控除できる税額が小さく、ふるさと納税の控除上限も小さくなる、あるいはメリットが乏しくなることがあります。青色申告特別控除などを差し引いた後の課税所得で考えると、こうした年は無理に寄附しても自己負担ばかり増える可能性があります。
上限額の試算は、所得や控除の状況によって細かく変わります。正確な上限の見積もりや、ご自身のケースでメリットがあるかどうかの判断は、税理士など有資格者にご相談ください(2026年6月時点)。
まとめ:ワンストップ特例ではなく確定申告で寄附金控除
個人事業主・フリーランスのふるさと納税は、会社員向けの説明をそのまま当てはめると誤解しやすい論点です。要点を整理します。
- 個人事業主も利用できる → 自己負担は原則2,000円で、上限の範囲内なら所得税・住民税から控除され、返礼品も受け取れるのが一般的。
- ワンストップ特例は使えないのが原則 → 確定申告をする個人事業主は対象外。確定申告のなかで寄附金控除として申告する。申請済みでも確定申告をすると無効になり、すべて申告し直す。
- 必要書類 → 自治体の寄附金受領証明書、または特定事業者の寄附金控除に関する証明書(XMLデータ等)。e-Taxなら電子データの活用で手間を減らしやすい。
- 控除上限は人により異なる → 給与所得者向け早見表は前提が違う。青色申告特別控除後の課税所得ベースで、年末に所得を見込んでから寄附額を決めるのが安心。赤字・低所得の年はメリットが乏しいことも。
寄附の規模や事業の状況によって最適な進め方は変わります。控除上限の試算や申告方法の判断に迷う場合は、税理士など有資格者へのご相談をおすすめします。なお、制度・基準・期限は2026年6月時点の情報です。寄附や手続きの前に、総務省・国税庁・各自治体など公式の最新情報を必ずご確認ください。
あわせて読みたい
免責・運営者情報
- 本記事は情報提供を目的としたものであり、税務相談・税務代理・申請代行を行うものではありません。具体的な控除上限の試算・申告方法・経費の判断は、税理士など有資格者にご相談ください。
- 記載の制度・基準・期限は2026年6月時点の目安です。最新かつ正確な情報は総務省・国税庁・お住まいの市区町村等の公式でご確認ください。
- 運営者:ひとり開業ラボ編集部(詳しくは運営者情報)。ご連絡はお問い合わせ(info@hitorikaigyo.com)から。当サイトは情報提供のみを行い、税務代理・申請代行は行いません。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1150「一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1150.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1155.htm
- 国税庁「ふるさと納税をされた方へ」(確定申告特集) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/furusato.htm
- 総務省「ふるさと納税ポータルサイト」(制度の概要・税金の控除・ワンストップ特例制度) https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/
- 総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」(寄附金控除の入力・e-Tax) https://www.keisan.nta.go.jp/
本記事は情報提供を目的としており、税務・法務上の助言を構成するものではありません。記載の制度・基準・期限・控除の取り扱いは2026年6月時点の情報で、最新は総務省・国税庁・各自治体の公式でご確認ください。最終的な判断は最新の公式情報および有資格者への相談にもとづいて行ってください。