副業の確定申告はいくらから?20万円ルールと開業届の判断
公開日: 2026/6/25
この記事でわかること
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重要な前提:本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の税務判断を行うものではありません。具体的な申告要否や所得区分の判断は、税理士など有資格者にご相談ください。記載の制度・基準・期限は 2026年6月時点 の目安で、改正により変わることがあります。手続きの前に国税庁・お住まいの市区町村など公式の最新情報を必ずご確認ください。
「副業の収入が増えてきたけれど、確定申告っていくらから必要なんだろう?」——会社員として給与をもらいながら副業をしている方が最初に迷うのが、この申告ラインです。よく言われるのが「副業20万円まではセーフ」という、いわゆる20万円ルール。ただ、この説明は条件を省くと誤解を生みやすく、住民税のところで落とし穴があります。
この記事では、①確定申告はいくらから必要か(20万円ルールの正しい要件)、②20万円以下でも住民税申告は原則必要という重要ポイント、③確定申告をする場合は20万円以下も申告すること、④事業所得か雑所得か・開業届の判断までを、国税庁の情報をもとに整理します。誇大な表現は避け、出典と条件を併記します。
運営:ひとり開業ラボ編集部
結論:副業の確定申告は「いくらから」?
先に要点をまとめます。いずれも一般的な目安であり、最終判断はご自身の状況と最新の公式情報で行ってください。
- 会社員など給与所得者で、給与を1か所から受け、年末調整が済んでいて給与の全部が源泉徴収されている場合、給与・退職所得以外の所得が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になるのが一般的です(20万円ルール)。
- ここでいう**20万円は「所得(収入−必要経費)」**であって、売上そのものではありません。
- 20万円以下でも、住民税の申告は原則として必要です(住民税に20万円ルールはありません)。
- 医療費控除やふるさと納税などで確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告するのが原則です。
つまり「20万円以下なら何もしなくていい」は誤解になりやすい、というのがこの記事で一番伝えたい点です。
まず自分のケースを整理したい方は、無料の副業の確定申告 要否チェック(4問・登録不要)もご利用ください。所得税の確定申告・住民税・開業届の論点を一度に整理できます。
一次情報(実際の画面):申告の要否は国税庁の情報を確認して作成しています。

出典:国税庁ホームページ No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm )を基に画面の一部をキャプチャ(2026年6月25日確認)。最新は公式ページでご確認ください。
20万円ルールの正しい要件(給与1か所・年末調整・源泉徴収)
「副業20万円まで申告不要」と言われるとき、その背景にあるのが国税庁タックスアンサーNo.1900・No.2020の取り扱いです。原文に沿うと、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる人の場合、各種の所得金額(給与所得・退職所得を除く)の合計額が20万円を超えると確定申告が必要、とされています。裏を返せば、20万円以下なら所得税の確定申告は不要になり得る、というのが20万円ルールの中身です。
ここで押さえたい前提条件は次のとおりです。
| 前提条件 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 主に給与所得者(会社員・パート等)。給与1か所が基本形 |
| 年末調整 | その給与について年末調整が済んでいること |
| 源泉徴収 | 給与の全部が源泉徴収の対象であること |
| 判定する金額 | 給与・退職所得を除く所得の合計が20万円を超えるか |
| 「20万円」の中身 | 所得(収入−必要経費)。売上ではない |
なお国税庁No.1900には、給与を2か所以上から受けている場合は、年末調整されなかった給与の収入金額と各種の所得金額との合計で20万円を判定する、という別の取り扱いも示されています。また、給与収入から所得控除を差し引いた額が150万円以下で、かつ各種の所得が20万円以下の人は申告不要、という注記もあります。自分がどのケースかで判定が変わるため、迷う場合は確定申告書等作成コーナーや税理士でご確認ください。
注意:個人事業主(専業フリーランス)として事業所得などがある場合は、この「給与所得者の20万円ルール」は基本的に当てはまりません。事業所得などがあり、所得控除を差し引いてもなお課税所得が残る場合は確定申告が必要になる傾向です。専業の方の流れは確定申告のやり方 初めてのフリーランス完全ガイドもご参照ください。
「20万円」は売上ではなく所得(収入−経費)
誤解が多いのが、判定に使うのが売上ではなく所得だという点です。たとえば次のように計算します。
- 副業の売上(収入):40万円
- 必要経費(通信費・材料費・手数料など):25万円
- 所得:40万円 − 25万円 = 15万円 → 20万円以下と判定
逆に、売上が20万円ちょうどでも経費がほとんどなければ所得が20万円を超え、申告が必要になることもあります。経費としてどこまで計上できるかはフリーランスの経費一覧も参考にしてください。
最重要:20万円以下でも住民税の申告は原則必要
ここが一番つまずきやすいポイントです。20万円ルールは「所得税の確定申告」を不要にする取り扱いにすぎず、住民税には20万円以下で申告不要とする規定がありません。
そのため、確定申告をしない場合は、副業の所得が20万円以下でも、お住まいの市区町村への住民税の申告が原則として必要になります。「所得税は申告不要でも、住民税は別」と覚えておくと安全です。
| 区分 | 20万円ルール(20万円以下なら申告不要) |
|---|---|
| 所得税(確定申告) | あり(要件を満たす給与所得者の場合) |
| 住民税(市区町村への申告) | なし(20万円以下でも原則申告が必要) |
※住民税の申告の要否・方法は自治体ごとに案内が異なる場合があります。詳細はお住まいの市区町村でご確認ください(2026年6月時点)。
なお、確定申告をした場合は、その内容が税務署から市区町村へ通知され住民税額が計算されるため、別途の住民税申告は原則不要です。つまり「確定申告をするなら住民税申告は重ねて不要、確定申告をしないなら住民税申告は別途必要になり得る」という関係になります。
医療費控除・ふるさと納税で確定申告するなら20万円以下も申告
もう一つ見落としやすいのが、確定申告を「する」場合の取り扱いです。20万円ルールはあくまで「確定申告をしない場合」に、20万円以下の所得について所得税の申告を要しないとする取り扱いです。
したがって、次のような理由でそもそも確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も申告に含めるのが原則です。
- 医療費控除を受けるために確定申告する
- 住宅ローン控除の初年度で確定申告が必要
- ふるさと納税で、ワンストップ特例を使わずに確定申告で寄附金控除を受ける
- 副業以外の理由で確定申告書を提出する
「医療費控除のついでに申告するけれど、副業は20万円以下だから書かなくていい」という整理は誤りになりやすい点に注意してください。確定申告をするなら、原則として20万円以下の所得も含めて申告します。判断に迷う場合は税理士などにご相談ください。
事業所得か雑所得か:所得区分と開業届の判断
副業の所得は、内容に応じて事業所得または雑所得などに区分されます。この区分は、青色申告の可否や開業届の要否に関わる重要な論点です。
国税庁は令和4年(2022年)10月の通達改正で、事業所得と業務に係る雑所得の区分について整理を示しました。ポイントは次のとおりです。
- その所得を得る活動が社会通念上「事業」と称する程度で行われているかで判定する
- 帳簿書類の保存があれば、原則として事業所得として取り扱える
- 帳簿書類の保存がない場合は、原則として業務に係る雑所得に区分される(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ事業所得と認められる事実がある場合を除く)
つまり「継続的・反復的に取り組み、帳簿をきちんと付けて保存している」状態であれば、概ね事業所得として扱いやすくなる、という整理です(あくまで一例示であり、最終的には個別事情で判断されます)。
| 区分 | おおまかなイメージ | 開業届 | 青色申告 |
|---|---|---|---|
| 事業所得 | 継続・反復・営利性があり、帳簿を保存 | 提出が前提 | 申請すれば可(最大65万円控除など、要件あり) |
| 業務に係る雑所得 | 単発・小規模で帳簿の保存がない等 | 不要 | 不可 |
事業所得として青色申告特別控除(最大65万円など)を受けたい場合は、開業届と青色申告承認申請書の提出が前提になります(控除には複式簿記やe-Tax等の要件があります)。開業届を出すかどうかは、副業の継続性・反復性・営利性といった事業性をふまえて判断することになります。雑所得にとどまる規模であれば開業届は不要です。
開業届を出すか迷う方は開業届を出すか診断(無料・登録不要)で目安を確認したり、出すと決めた場合の手順は個人事業主の開業届の出し方をご覧ください。
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まとめ:20万円ルールは「所得税の話」、住民税は別
副業の確定申告ラインは、条件を省くと誤解しやすい論点です。要点を整理します。
- 確定申告はいくらから? → 給与1か所・年末調整済み・源泉徴収ありの給与所得者なら、給与等以外の所得が20万円を超えると所得税の確定申告が必要になりやすい。**20万円は所得(収入−経費)**で判定。
- 20万円以下でも油断しない → 住民税には20万円ルールがなく、確定申告をしない場合は市区町村への住民税申告が原則必要。
- 確定申告をするなら → 医療費控除・ふるさと納税などで申告する場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告するのが原則。
- 所得区分・開業届 → 帳簿の保存があれば原則事業所得として扱いやすく、青色申告には開業届+承認申請が前提。雑所得なら開業届は不要。
副業の規模や続け方によって最適な進め方は変わります。判断に迷う場合は、税理士など有資格者へのご相談をおすすめします。なお、制度・基準・期限は2026年6月時点の情報です。手続きの前に国税庁・お住まいの市区町村など公式の最新情報を必ずご確認ください。
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- 記載の制度・基準・期限は2026年6月時点の目安です。最新かつ正確な情報は国税庁・お住まいの市区町村等の公式でご確認ください。
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出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2020「確定申告」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.1500「雑所得」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm
- 国税庁「『所得税基本通達の制定について』の一部改正について(法令解釈通達)」(令和4年10月7日・事業所得と業務に係る雑所得の区分) https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/221007/index.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2072「青色申告特別控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm
本記事は情報提供を目的としており、税務・法務上の助言を構成するものではありません。記載の制度・基準・期限は2026年6月時点の情報で、最新は国税庁・各自治体の公式でご確認ください。最終的な判断は最新の公式情報および有資格者への相談にもとづいて行ってください。