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開業・手続き

ネットショップ・ハンドメイド開業と確定申告 完全ガイド

公開日: 2026/7/3 / 更新日: 2026/7/3

本記事は、国税庁・e-Tax などの一次情報を確認のうえ、ひとり開業ラボ編集部が作成しています。 税制・料金・要件は改正されることがあるため、手続きの前に各公式サイト・所管官庁で最新情報をご確認ください。個別の判断は税理士など有資格者にご相談ください。
この記事でわかること

ハンドメイド作品をネットで売り始めたり、ネットショップを開いたりすると、「これって開業届を出すの?」「確定申告はいくらから?」「材料費はどこまで経費になる?」といった疑問が一気に押し寄せてきます。作品づくりや発送に追われるなかで、お金や手続きのことは後回しになりがちです。

この記事は、ハンドメイド作家・ネットショップ運営者に向けた手続きとお金まわりの全体像をまとめたハブです。開業届の要否、ショップの始め方、経費、確定申告、インボイスの流れをざっと俯瞰し、それぞれの詳しい解説記事へつなぎます。まず全体像をつかみ、気になるテーマは各記事で深掘りしてください。誇大な表現は避け、要所に出典と「最新は公式で確認」の注記を添えます。

全体像:開業から確定申告までの5ステップ

ハンドメイド・ネットショップ販売を「趣味」から「事業」として整えていく流れは、大きく次の5つに分けられます。

  1. 開業届を出すか判断する:継続的に販売するなら事業として開業届を検討。
  2. 販売の場(ショップ)を用意する:BASE等の無料ネットショップか、独自ドメインのショップか。
  3. 売上と経費を記録する:材料費・送料・手数料などを日々記帳する。
  4. 確定申告をする:1年分の所得を計算し、必要なら申告する。
  5. 消費税・インボイスを検討する:課税事業者になるか、登録するかを判断する。

このうち「自分は何をどこまでやるべきか」は、売上規模・副業か専業か・取引先が個人か法人かで変わります。以下で順に見ていきます。

開業届は必要?屋号や自宅住所の注意点

所得税法では、新たに事業所得等が生じる事業を始めた人は、事業開始日から1か月以内に開業届を提出することとされています(所得税法229条)。一方で、趣味の延長で単発的・小規模に売る程度なら「事業」に当たらず、業務に係る雑所得として扱われることもあります。

事業所得か雑所得かは、令和4年の所得税基本通達の改正で、帳簿書類の保存があり、継続・反復して独立して営んでいるかが一つの目安とされました。帳簿を付けず小規模だと雑所得になりやすく、逆に記帳して継続的に販売していれば事業所得として扱いやすい、という整理です。

ネットショップならではの論点が「住所」です。通信販売では特定商取引法により、原則として氏名(名称)・住所・電話番号の表示が求められるとされており、自宅住所の公開につながることがあります。自宅を出したくない場合の考え方や屋号の決め方は、ハンドメイド・ネットショップに開業届は必要?屋号・自宅住所で詳しく整理しています。住所を非公開にする具体的な方法(省略規定・BASE等の非公開機能・バーチャルオフィスの3ルート)は特商法の住所を非公開にする3つの方法で比較しています。あわせて開業届の出し方屋号の決め方事業用住所の選び方も参考になります。

開業届は無料で作成できるツールもあります。項目に沿って入力すれば書類が整うので、初めてでも進めやすいでしょう。 マネーフォワード クラウド開業届の公式サイトを見るPR(広告・PR)

ショップの始め方:無料のBASEと独自ドメインの違い

販売の場をどう用意するかは、大きく2つの方向があります。

  • 無料のネットショップ作成サービス(モール型・ASP型):BASEなどが代表例。初期費用を抑えて始めやすく、デザインや決済がパッケージ化されているのが特徴とされます。
  • 独自ドメイン+レンタルサーバーで自分のショップを構築:エックスサーバー等を使い、自由度高く作れる一方、構築・維持を自分で行う必要があります。

まずは手軽に始めたい、作品数がそれほど多くない、というハンドメイド作家には、初期費用を抑えて開設できる無料ネットショップから試す選択がよく取られます。 BASE(無料ネットショップ開業)の公式サイトを見るPR(広告・PR)

どちらが向くかは規模や目的によって異なり、一概には言えません。手数料・機能・拡張性の比較や向き不向きはネットショップの始め方|無料のBASEと独自ドメインの違いで詳しく比較しています。開業前の準備を一通り確認したい場合は開業準備チェックリストも活用してください。

経費:材料費・送料・手数料・出店料をおさえる

ハンドメイド・物販で計上されることが多い主な経費には、次のようなものがあります(該当性は業務との関連性で判断され、家事按分は合理的な基準で行うのが一般的です)。

主な費目具体例会計上の科目の例
材料費・仕入生地・パーツ・仕入れ商品仕入・材料費
送料・梱包発送料・箱・緩衝材・封筒荷造運賃
販売・決済手数料ショップの販売手数料・決済手数料支払手数料
出店料・月額ショップの月額利用料・出店料諸会費・支払手数料 等
広告費SNS広告・掲載料広告宣伝費
通信・光熱ネット回線・按分した電気代通信費・水道光熱費
外注一部工程の外注外注工賃

注意したいのが在庫(売れ残り)の扱いです。仕入れた材料や商品のうち、その年の売上に対応する部分が売上原価として経費になり、売れ残った期末在庫は原則その年の経費にはならないとされています。売上原価は「期首在庫+その年の仕入−期末在庫」で計算し、年末に棚卸が必要です。材料をまとめ買いしても、使い切らずに残った分はその年の経費から外れる点に注意しましょう。

費目ごとの具体例や家事按分の考え方はネットショップ・ハンドメイドの経費一覧で、業種横断の一覧はフリーランスの経費一覧で確認できます。

確定申告:いくらから?青色申告のメリット

「確定申告はいくらから?」の答えは、副業か専業かで変わります。

会社員などの給与所得者が副業でハンドメイド販売をする場合、給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告を省略できる場合があるとされています。ただしこの判定は売上ではなく**所得(収入−必要経費)**で行い、さらにこの20万円は所得税の目安であって、住民税には同様の基準がなく、20万円以下でも住民税の申告が原則必要とされる点に注意が必要です。

給与のない専業の場合は20万円ルールの対象外で、事業所得等から基礎控除など各種控除を引いてなお課税所得が残れば、確定申告が必要になりやすいです。副業・専業別の考え方や事業所得・雑所得の切り分けはハンドメイド販売の確定申告はいくらからで、全体の流れは確定申告の流れ、副業の場合は副業の確定申告で整理しています。

事業所得として申告するなら青色申告も選択肢です。青色申告特別控除の65万円を受けるには、複式簿記による記帳、貸借対照表等を期限内に提出すること、e-Taxによる電子申告(または優良な電子帳簿保存)などの要件を満たす必要があるとされています。青色申告承認申請は原則その年の3月15日まで(1月16日以後の開業は開業から2か月以内)が期限です。詳しくは青色申告のやり方をご覧ください。

日々の記帳や申告書づくりを効率化したい場合は、材料費や手数料の入力から申告書作成までを一つの流れで扱える会計ソフトの利用が現実的です。 マネーフォワード クラウド会計・確定申告の公式サイトを見るPR(広告・PR)会計ソフトの選び方は会計ソフトの比較ガイドを参考にしてください。

インボイス・消費税は登録すべき?

消費税は、基準期間の課税売上が1000万円超になると課税事業者になるのが原則とされています。多くのハンドメイド作家・小規模ネットショップは、まずこの水準に届くかどうかが目安になります。

インボイス(適格請求書発行事業者)の登録が必要かは、主に**取引先が課税事業者でインボイスを求めるか(BtoB取引が中心か)**で判断するのが一般的です。購入者が個人(消費者)中心なら、相手はインボイスを必要としないため登録の必要性は下がる傾向があります。一方、イベント出展の卸や法人向け販売がある場合は検討の余地があります。

なお、登録した小規模事業者の負担を軽くする「2割特例」は、個人の場合は令和8年分(2026年分)が最後とされています(その後の負担軽減措置の扱いは制度改正で変わることがあるため、最新は国税庁で要確認)。登録の要否は影響を確認したうえで慎重に判断しましょう。詳しくはインボイス登録の判断で整理しています。

まとめ:まず全体をつかみ、必要な回を深掘りする

ハンドメイド・ネットショップ販売の手続きは、①開業届 → ②ショップ開設 → ③記帳 → ④確定申告 → ⑤消費税・インボイス、という流れでとらえると迷いにくくなります。売れ残り在庫が原則その年の経費にならない点、20万円ルールが所得税の話で住民税は別である点など、この業種ならではの落とし穴もあります。

まずは自分の状況(副業/専業・売上規模・取引先)を確認し、税金のざっくりした見込みは税金かんたん計算、会計面の現在地は会計診断でつかんでみてください。そのうえで、開業・経費・申告・インボイスの各記事で深掘りしていくのがおすすめです。制度・料金・法令は変わることがあるため、最終的な判断は国税庁など公式の最新情報を確認し、個別の相談は税理士など有資格者にご相談ください(2026年7月3日時点)。

よくある質問

ハンドメイドやネットショップの売上が少なくても開業届は必要ですか?
所得税法では、新たに事業所得等が生じる事業を開始した人は、事業の開始等の日から1か月以内に開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出することとされています(所得税法229条)。趣味の延長で単発的・小規模な販売の場合は「事業」に当たらず、業務に係る雑所得として扱われることもあり、この場合は開業届の対象になりにくいとされています。継続・反復して独立して営み、帳簿を付けているような実態があれば事業所得として開業届を出すのが一般的です。判断に迷う場合は税務署または税理士など有資格者にご確認ください(2026年7月時点・最新は国税庁で要確認)。
ハンドメイド販売の確定申告はいくらから必要ですか?
よく言われる『20万円』は、給与所得者(会社員など)の副業について、給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告を省略できる場合があるという所得税上の目安です。ここでの判定は売上ではなく所得(収入−必要経費)で行います。また、この20万円基準は所得税の話であり、住民税には同様の基準がなく、20万円以下でも住民税の申告が原則必要とされる点に注意が必要です。給与のない専業の方は、事業所得等から各種控除を差し引いてなお課税所得が残る場合に確定申告が必要になりやすいです。詳しくはハンドメイド販売の確定申告はいくらからで整理しています(2026年7月時点・最新は国税庁で要確認)。
在庫(売れ残った作品や材料)はその年の経費にできますか?
一般的に、仕入れた材料や商品のうち、その年の売上に対応する部分が売上原価として経費になり、売れ残った在庫(期末在庫)は原則その年の経費にはならないとされています。売上原価は『期首在庫+その年の仕入−期末在庫』で計算し、年末に棚卸をして在庫を把握する必要があります。つまり材料をまとめ買いしても、使わずに残った分はその年の経費から外れる形になります。棚卸や売上原価の考え方はネットショップ・ハンドメイドの経費一覧で具体的に解説しています(2026年7月時点・最新は国税庁で要確認)。
ハンドメイド販売でもインボイス登録はした方がよいですか?
インボイス(適格請求書発行事業者)の登録が必要かどうかは、主に取引先が課税事業者で仕入税額控除のためにインボイスを求めるか(BtoB取引が中心か)で判断するのが一般的とされています。ハンドメイドやネットショップで購入者が個人(消費者)中心の場合は、相手がインボイスを必要としないため、登録の必要性は下がる傾向があります。一方でイベント出展や卸、法人向け販売がある場合は検討の余地があります。登録すると消費税の申告義務が生じるため、影響を確認したうえで判断しましょう。詳しくはインボイス登録の判断をご覧ください(2026年7月時点・最新は国税庁で要確認)。

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